診療科のご案内

リウマチ膠原病診療

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診療科の特色

リウマチ科では、リウマチ性疾患、膠原病をはじめ、整形外科にオーバーラップする関節疾患までを広く扱います。なかでも関節リウマチについては内科と整形外科の専門医が共同して診療にあたり、「寛解」を目指した治療を行います。経験豊富な専門医の管理のもとに、レミケード、エンブレル、ヒュミラ、アクテムラ、オレンシア、シンポニー、シムジアといった生物学的製剤も積極的に治療に導入します。
関節リウマチ診療は、薬物療法・整形外科手術・リハビリテーションが診療の主体となります。
当科では、関西地区でも有数の人工関節手術件数を誇る当院人工関節センターと協同した適切な手術適応、また患者様の日常生活動作を向上できるリハビリテーション指導を心掛け、多方面から最先端のリウマチ診療を推進します。
昨今のリウマチ膠原病診療は大きな転換期にあります。従来の抗リウマチ薬に加え、生物学的製剤の導入によって目覚ましい治療効果を得ることのできる時代を迎えました。今後、関節リウマチ以外の膠原病を対象としても、こういった新規薬剤が導入されます。慎重な適応を考慮することを大前提として、積極的に先端的薬剤を診療に導入することは、高度医療機関としてリウマチ科が担うべき使命のひとつであろうと考えます。
リウマチ膠原病診療は、患者様と共に旅をしているようなものだと云われます。長く病気を患い社会生活も制限された状況で、なお希望を持って病気に立ち向かわれる患者様が多数おられます。そのような人達に正面から向き合い、絶対的な信頼と安心を持って訪れていただくことができる医療機関となれるよう、リウマチ膠原病診療に取り組んで参ります。

リウマチ膠原病診療について

近年、メソトレキサート(薬品名:リウマトレックス、メトレート)をはじめとする抗リウマチ剤の内服治療と生物学的製剤の導入により、関節リウマチの治療体系は革新的な変化を遂げつつあります。専門医により適正な治療によって、リウマチによる関節の変化や破壊を止める事ができるようになりました。今日のリウマチの治療の目標は、関節の変形を起こさないための早期治療開始と、経年の病歴を持つ患者様に対する低疾患活動性の持続にあります。

関節リウマチの病状を適切に評価するために、これまでのレントゲン検査やMRI検査が用いられてきました。では、関節エコー検査は、従来から行われてきた検査と、どういった違いがあるのでしょうか。

かつては関節の脹れや痛みが数ヶ月続き、さらにレントゲンで明らかな骨や軟骨の変化が現れて初めてリウマチ治療が開始されていましたが、現在世界中のリウマチ専門医が用いる関節リウマチの診断基準は、以前に用いられていた基準による診断を、さらに1年近く早期に診断できるように考えられたものです。専門医による関節の診断や各種血液検査を組み合わせる事で、レントゲンで明らかな関節の変形や破損が現れる前に治療を開始する事が出来ます。関節エコー検査で未だ骨に変化が現れない早期リウマチ患者様の関節を評価すると、リウマチに特有の関節滑膜(関節を包み、軟骨や骨に接する薄い膜)の腫れやむくみ、関節の炎症による血流の増加が見られ、関節の破壊が始まらない早期に適切な治療を導く事が出来ます。

このような骨や軟骨以外の部分の関節の評価は、これまでMRI検査によってなされていましたが、超音波検査kはMRIより簡便で低コストであり、MRI検査でしばしば問題になる過去の手術、ペースメーカー埋め込み患者様への対応も特別必要としません。また、エコー検査は治療の評価を行う際にも有用で、レントゲンのような被爆も無く、簡単に関節の炎症状態を見極める事が出来ます。昨今、リウマチ診療においてエコー検査が「リウマチ専門医の聴診器」といわれるようになってきた理由は、なにより、この簡便さにあります。

診療対象疾患

対象疾患は関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、抗リン脂質抗体症候群、強皮症、多発性筋炎、皮膚筋炎、混合性結合織病、シェーグレン症候群、全身性血管炎、ベーチェット病、乾癬性関節炎、ライター症候群、自己炎症症候群、リウマチ性多発筋痛症、スチル病などです。

スタッフ

リウマチ科(整形外科)
院長
柴沼 均

日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会認定リウマチ医
日本リウマチ学会指導医

三浦 靖史

日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会認定リウマチ医
日本リウマチ学会専門医・指導医・評議員

リウマチ科(内科)
柱本 照

神戸大学大学院臨床免疫学教授
日本リウマチ学会専門医・指導医・評議員
日本内科学会認定医

川崎 善子

日本リウマチ学会専門医・指導医
日本内科学会専門医
日本医師会認定産業医

橋本 哲平

広島大学医学部卒業
日本内科学会専門医
日本リウマチ学会専門医

地域医療機関へのメッセージ

当科の特徴は、内科だけでなく整形外科あるいはリハビリテーション医学まで、旧来の診療科の枠をこえて、共同で、広く協力して患者様一人一人に集学的治療を行うことにあります。
私達は患者様に対する円滑な治療を患者様の心地よい方向で提供するために、病診連携の取り組みを進めていきます。当院は従来から神戸市医師会リウマチネットワークの中枢病院としてリウマチ整形外科手術に対応して参りましたが、今後は、内科リウマチ性疾患診療においても、地区の先生方と緊密な病診連携体制を構築し、個々の患者さんにとってベストな形になるように対応してゆける連携治療を進めたいと考えております。
そのために、神戸大学病院・神戸労災病院・甲南病院・六甲アイランド病院・神鋼病院といった中核病院や地区の整形外科・内科開業医の先生方と協同して神戸市東地区リウマチカンファレンス、公開市民講座を開催し、神戸地区リウマチ膠原病診療の医療連携をさらに発展させるべく活動して参ります。