初診受付時間 月曜日~土曜日 午前8:30~午前11:30
再診は予約制ですが、初診は時間内であればいつでも受け入れ可能です。
特別に専門外来は設けておりません。
部門長 木許 健生 |
昭和63年 島根医科大学医学部卒業
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部長 太田 恭介 |
平成元年 神戸大学医学部卒業
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医長 谷 孝文 |
平成20年 神戸大学医学部卒業
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松田 武人 |
平成23年 東海大学医学部卒業 |
川口 勝徳 |
昭和41年 神戸医科大学卒業
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個々の患者様の病状に沿った適切な医療を迅速に提供し、患者様に満足していただけるよう努力を怠らない。
現行の治療ガイドラインを遵守しながら、新しい治療法を積極的に取り入れていく。
地域医療機関との連携を大切にし、緊急患者様の受け入れなどを迅速に行う。
当院外科は、消化器外科疾患を中心に診療を行っています。
良性疾患では、各ヘルニア疾患(食道裂孔ヘルニア:横隔膜の筋肉が弱くなり主に胃が縦郭内(傍食道の空間)に入り込み、食後のつかえや胸やけが強いなどの症状があります。腹壁瘢痕ヘルニア:以前の開腹手術の創から腸管が脱出する。鼠経・大腿ヘルニア:鼠経・大腿部の膨隆。閉鎖孔ヘルニア:恥骨の筋肉が弱くなりその筋肉のスペースに小腸などが入り込み、腸閉塞を度々起こします。)に対して手術を行っております。
最近では、創が小さく、術後の疼痛・違和感がより緩和される腹腔鏡手術を積極的に取り入れています(例:鼠経ヘルニアに対するTAPP手術)。
また、胆石症、尿膜管遺残症(おへそと膀胱の間の索状物が開存することにより、青年期におへそから膿みが出るなどの症状が出現する)は、特に問題がなければ腹腔鏡での手術を行っています。
急性胆嚢炎や急性虫垂炎などの急性期疾患も積極的に腹腔鏡手術を受診後速やかに行うようにしています(例:胆石症、虫垂炎の腹腔鏡手術)。
悪性疾患は、食道癌から直腸癌まで消化管全ての癌腫に対して、ガイドラインに準拠した治療を行っています。
その内、早期胃癌、結腸・直腸癌症例に対しては、積極的に腹腔鏡手術を行っております(例:LADG手術、LAC手術)。
腹腔鏡手術のメリットとしては、良性疾患と同様、術後の疼痛が少なく回復が早い、長期的には手術創がほとんど目立たなくなる、手術後の癒着が少ないなどが挙げられます。
肝臓がんは、転移性(大腸癌からの転移など)と原発性(肝臓自体から発生する癌)のものがありますが、肝臓内の癌の部位・大きさや患者様の肝機能状態を考慮して術式を決定します。
胆道癌・膵頭部癌などで閉塞性黄疸(総胆管が閉塞するために生じる黄疸)を起こしている患者さまには、消化器内科の先生に術前ERBD(内視鏡的胆道ドレナージ)チューブを挿入していただき、肝機能異常が改善した後に手術を行うなど他科と連携しています。
当院では、外科、消化器内科、放射線科、看護部、検査部、薬剤部合同の消化器カンファレンスを毎週1回開催し術前検討を行っています。
また、一例一例患者さま個々の状況やご希望に沿った治療を常に心掛けております。
食欲不振などにより低栄養状態にある術前患者さまには、高カロリー輸液を手術前より行い、栄養状態を改善させた後に手術を行うなど、きめ細やかな管理を行うようにしています。
また、御高齢であっても手術可能と判断すれば、年齢にかかわらず手術を行っておりますが、その際、懸念される術後のADL(日常活動)低下を予防するために積極的に術後リハビリを行っており、手術前と変わらぬ生活を維持していただけるよう最善の努力を行っています。
当院は理学療法士(PT)が量・質とも充実しており、患者さまの状況に合わせたメニューで土日・祝日にかかわらずリハビリ可能です。
鼠経ヘルニア:TAPP手術
腹壁瘢痕ヘルニア:腹腔鏡下によるメッシュ修復術
食道裂肛ヘルニア:Toupetまたは Nissen法による噴門形成術
胃・十二指腸潰瘍穿孔:ドレナージ・大網充填術
直腸脱:Wells 法変法による直腸固定術
胆石症・急性胆嚢炎:腹腔鏡下胆嚢摘出術
急性虫垂炎:腹腔鏡下虫垂切除術
尿膜管遺残症:腹腔鏡手術
食道癌:高齢者に対する縦郭鏡下食道切除術
胃癌:幽門側胃切除術
胃粘膜下腫瘍(GISTなど):胃部分切除術
小腸悪性腫瘍:小腸部分切除術
結腸癌:腹腔鏡補助下右(半)結腸切除術・横行結腸切除術・左半結腸切除術・S状結腸切除術
直腸癌:高位(低位)前方切除術・Miles 手術
症例数は多くはありませんが、食道がんから肛門疾患までほぼすべての消化器疾患の手術を行っています。
食道癌:切除再建 | 4例(1) | 原発性肝細胞癌(RFA) | 1例 |
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食道裂肛ヘルニア | 1例(1) | 転移性肝癌 | 1例 |
胃癌:胃全摘 | 5例 | 胆石症 | 24例(20) |
胃癌:幽門側 | 2例(2) | 膵癌 バイパス術 | 2例 |
胃癌:噴門側 | 2例 | 人工肛門造設・閉鎖 | 7例 |
十二指腸縫合 | 1例 | ヘルニア:鼠経 | 34例(24) |
小腸:イレウス | 5例(1) | ヘルニア:閉鎖孔 | 1例(1) |
大腸癌:結腸 | 17例(6) | ヘルニア:臍 | 2例 |
大腸癌:直腸 | 7例(2) | ヘルニア:半月状線 | 1例(1) |
膀胱直腸瘻 | 1例 | 腹膜:後腹膜肉腫 | 1例 |
虫垂炎 | 9例(9) | 腹膜:尿膜管遺残 | 1例(1) |
肛門:内痔核 | 3例 | ポート造設 | 17例 |
肛門:痔瘻 | 4例 | ポート抜去 | 5例 |
肛門:狭窄 | 1例 | 局麻手術 | 4例 |
肛門:ポリープ・腫瘍 | 2例 |
横スクロール
臓器別症例数
肝胆膵手術症例数(年間)
術式 例数(10例)
部位
術式 例数(9例)
部位
術式 例数(17例)
原発性・転移性 疾患
手術後の再発や遠隔転移(肝臓、肺、骨など)で手術適応のない患者さまに対して、抗がん剤、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害剤などを使用して、癌の進行を抑えて長く元気に生活していただくことを目的に行う治療を化学療法といいます。
また、癌に対して根治手術(しっかり癌が取りきれた手術)後に癌の再発を抑制するために行うものは補助化学療法といいます。
これは化学療法と異なり治療は期間を決めて行ないます(疾患によって期間は違いますが、短いもので3か月、長いものは1年など)。
主に食道癌、胃癌、大腸癌、膵癌、胆道癌、原発性肝細胞癌などの疾患が対象となります。
抗癌剤というと、吐き気などの副作用が辛く苦しいものだという先入観があるかもしれませんが、現在は様々な副作用の予防薬がありますので、それらの薬剤を使用し、患者さまの日常生活を妨げないことを第一に考え、治療を行っております。
当科では、基本的に最初の抗癌剤を使用する場合は入院で(1泊ないし2泊)、その後、問題がなければ外来で化学療法を行っております。
治療は、外科外来診察室の隣に設置された外来化学療法室で行っています。
また、治療中、ご自宅で発熱や食欲不振などの心配な事が生じた場合は、電話連絡いただけますと、すぐに対応できる体制を整えておりますので安心して治療を受けていただけます。
外科外来・入院化学療法年次のべ件数推移
(※乳腺外科を含む)
癌が発見された最初の段階では、遠隔転移(肝や肺など)や他臓器への浸潤などで化学療法が選択された場合でも、化学療法が奏効し根治切除(しっかり癌が取りきれる)が期待できると判断されれば、手術を行う場合があります。
これをconversion surgery といいます。最近の化学療法薬の進歩は目覚ましく、最初は手術ができないと判断された患者さまも化学療法によって癌が小さくなったことによって手術が行える症例がみられるようになってきました。
大腸がん多発肝転移+肝門部リンパ節転移
化学療法が奏効し、肝転移+リンパ節転移が縮小し手術可能となった
(肝右葉切除+肝外側部分切除+リンパ節郭清術)。
点滴での化学療法薬は刺激性の強いものが多く、静脈炎が起こりやすかったり、血管がつぶれてしまい、何回も点滴の針を刺さなくてはいけなくなったりすることが懸念されます。
長期に点滴での化学療法が必要となった場合は、静脈ポートを皮下に埋め込む小手術を外来手術で行っています。
これにより、化学療法薬を安全に確実に投与することができます。
数日間(主に2日間)の投与が必要な場合でも、ご自宅へシュアフーザーというポータブルポンプ(写真)を持って帰って頂き、ご自宅での化学療法継続が可能となります。
一般的にポートは、前胸部の皮下に埋め込まれる事が多いのですが、当院では上腕外側に小さなポートを皮下に埋め込む上腕ポート留置を多く行っています。
上腕ポートのメリットとして、穿刺針を留置する時にいちいち衣服をまくり上げる必要がない、女性であればポートの盛り上がりがほとんど目立たないなどが挙げられ、患者さまのQOLの向上に貢献しています。
上腕ポート穿刺前
ポートの隆起が目立ちにくい
上腕ポート穿刺後
腕をまくるだけで穿刺が可能