診療科のご案内

外科

受付時間

  • 初診受付時間 月曜日~土曜日 午前8:30~午前11:00

外来担当表 はこちら

  • 再診は予約制ですが、初診は時間内であればいつでも受け入れ可能です。

  • 特別に専門外来は設けておりません。

医師紹介

副院長
部門長
河村 史朗

1987年 神戸大学医学部卒業
1993年 神戸大学大学院医学研究科博士課程修了、医学博士

  • 日本外科学会専門医 指導医
  • 日本消化器外科学会専門医 指導医
  • 日本消化器病学会 専門医 指導医
部長
太田 恭介

1989年 神戸大学医学部卒業

  • 日本外科学会専門医
  • 検診マンモグラフィー読影認定医:AS評価
  • 医学博士
非常勤
川口 勝徳

1966年 神戸医科大学卒業

  • 日本外科学会指導医
  • 日本消化器外科学会指導医
非常勤
島田 淳司

2017年 神戸大学医学部卒業

診療科方針

  • 1.

    個々の患者様の病状に沿った適切な医療を迅速に提供し、患者様に満足していただけるよう努力を怠らない。

  • 2.

    現行の治療ガイドラインを遵守しながら、新しい治療法を積極的に取り入れていく。

  • 3.

    地域医療機関との連携を大切にし、緊急患者様の受け入れなどを迅速に行う。

代表的な疾患

当院外科は、消化器外科疾患を中心に診療を行っています。
良性疾患では、各ヘルニア疾患(食道裂孔ヘルニア:横隔膜の筋肉が弱くなり主に胃が縦郭内(傍食道の空間)に入り込み、食後のつかえや胸やけが強いなどの症状があります。腹壁瘢痕ヘルニア:以前の開腹手術の創から腸管が脱出する。鼠経・大腿ヘルニア:鼠経・大腿部の膨隆。閉鎖孔ヘルニア:恥骨の筋肉が弱くなりその筋肉のスペースに小腸などが入り込み、腸閉塞を度々起こします。)に対して手術を行っております。

最近では、創が小さく、術後の疼痛・違和感がより緩和される腹腔鏡手術を積極的に取り入れています(例:鼠経ヘルニアに対するTAPP手術)。
また、胆石症、尿膜管遺残症(おへそと膀胱の間の索状物が開存することにより、青年期におへそから膿みが出るなどの症状が出現する)は、特に問題がなければ腹腔鏡での手術を行っています。
急性胆嚢炎や急性虫垂炎などの急性期疾患も積極的に腹腔鏡手術を受診後速やかに行うようにしています(例:胆石症虫垂炎の腹腔鏡手術)。

悪性疾患は、食道癌から直腸癌まで消化管全ての癌腫に対して、ガイドラインに準拠した治療を行っています。
その内、早期胃癌、結腸・直腸癌症例に対しては、積極的に腹腔鏡手術を行っております(例:LADG手術LAC手術)。

腹腔鏡手術のメリットとしては、良性疾患と同様、術後の疼痛が少なく回復が早い、長期的には手術創がほとんど目立たなくなる、手術後の癒着が少ないなどが挙げられます。
肝臓がんは、転移性(大腸癌からの転移など)と原発性(肝臓自体から発生する癌)のものがありますが、肝臓内の癌の部位・大きさや患者様の肝機能状態を考慮して術式を決定します。
胆道癌・膵頭部癌などで閉塞性黄疸(総胆管が閉塞するために生じる黄疸)を起こしている患者さまには、消化器内科の先生に術前ERBD(内視鏡的胆道ドレナージ)チューブを挿入していただき、肝機能異常が改善した後に手術を行うなど他科と連携しています。

当院では、外科、消化器内科、放射線科、看護部、検査部、薬剤部合同の消化器カンファレンスを毎週1回開催し術前検討を行っています。
また、一例一例患者さま個々の状況やご希望に沿った治療を常に心掛けております。
食欲不振などにより低栄養状態にある術前患者さまには、高カロリー輸液を手術前より行い、栄養状態を改善させた後に手術を行うなど、きめ細やかな管理を行うようにしています。
また、御高齢であっても手術可能と判断すれば、年齢にかかわらず手術を行っておりますが、その際、懸念される術後のADL(日常活動)低下を予防するために積極的に術後リハビリを行っており、手術前と変わらぬ生活を維持していただけるよう最善の努力を行っています。
当院は理学療法士(PT)が量・質とも充実しており、患者さまの状況に合わせたメニューで土日・祝日にかかわらずリハビリ可能です。

当科で施行している主な腹腔鏡手術

良性疾患

鼠経ヘルニア:TAPP手術
腹壁瘢痕ヘルニア:腹腔鏡下によるメッシュ修復術
食道裂肛ヘルニア:Toupetまたは Nissen法による噴門形成術
胃・十二指腸潰瘍穿孔:ドレナージ・大網充填術
直腸脱:Wells 法変法による直腸固定術
胆石症・急性胆嚢炎:腹腔鏡下胆嚢摘出術
急性虫垂炎:腹腔鏡下虫垂切除術
尿膜管遺残症:腹腔鏡手術

悪性疾患

食道癌:高齢者に対する縦郭鏡下食道切除術
胃癌:幽門側胃切除術
胃粘膜下腫瘍(GISTなど):胃部分切除術
小腸悪性腫瘍:小腸部分切除術
結腸癌:腹腔鏡補助下右(半)結腸切除術・横行結腸切除術・左半結腸切除術・S状結腸切除術
直腸癌:高位(低位)前方切除術・Miles 手術

手術実績

2022年度 外科 手術実績

症例数は多くはありませんが、食道がんから肛門疾患までほぼすべての消化器疾患の手術を行っています。

胃・十二指腸 胃切除術 5例
胃全摘術 4例
胃腸吻合術 1例
噴門側胃切除術 1例
腹腔鏡下胃局所切除術 1例
12例
肝臓 肝切除術 1例
経皮的肝腫瘍ドレナージ術 1例
2例
筋膜・筋・腱・腱鞘 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(麻酔) 1例
1例
空腸・回腸・盲腸・虫垂・結腸 腸管癒着症手術 1例
小腸切除術 3例
虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴うもの) 1例
腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わない 8例
虫垂周囲膿瘍を伴う 3例
結腸切除術 9例
腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 4例
腹腔鏡下結腸切除術 1例
腹腔鏡下小腸切除術 1例
人工肛門閉鎖術 1例
32例
胆嚢、胆道 胆嚢摘出術 9例
腹腔鏡下胆嚢摘出術 13例
胆嚢外瘻造設術 2例
経皮的胆管ドレナージ術 1例
25例
直腸 直腸切除・切断術 切除術 2例
低位前方切除術 4例
直腸脱手術 3例
9例
動脈 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置 11例
11例
乳腺 乳腺腫瘍摘出術 3例
乳腺悪性腫瘍手術 16例
19例
皮膚、皮下組織 創傷処理 筋肉、臓器に達する 1例
筋肉、臓器に達しない 19例
皮膚切開術 5例
皮膚、皮下腫瘍摘出術 1例
26例
腹壁、ヘルニア ヘルニア手術 腹壁瘢痕ヘルニア 2例
大腿ヘルニア 1例
臍ヘルニア 2例
鼠径ヘルニア 27例
腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術 10例
42例
肛門・その周辺 痔核手術 1例
痔瘻根治手術 2例
肛門ポリープ切除術 1例
肛門悪性腫瘍手術 1例
5例
脾摘出術 1例
1例
膵体尾部腫瘍切除術 1例
1例
尿道 外尿道腫瘍切除術 1例
1例
静脈 中心静脈注射用植込型カテーテル設置 2例
2例
総合計 189例

横スクロール

2021年度 外科 手術実績

症例数は多くはありませんが、食道がんから肛門疾患までほぼすべての消化器疾患の手術を行っています。

胃・十二指腸 胃切除術 2例
胃全摘術 2例
胃腸吻合術 2例
6例
肝臓 肝切除術 単回の切除による 1例
複数回の切除を要する 1例
2例
空腸・回腸・盲腸・虫垂・結腸 腸管癒着症手術 4例
小腸切除術 5例
虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わない 1例
虫垂周囲膿瘍を伴う 1例
腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わない 9例
虫垂周囲膿瘍を伴う 2例
結腸切除術 4例
腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 4例
人工肛門造設術 2例
人工肛門閉鎖術 1例
33例
喉頭・気管 気管切開術 1例
1例
胆嚢、胆道 胆嚢摘出術 1例
腹腔鏡下胆嚢摘出術 12例
胆嚢外瘻造設術 1例
経皮的胆管ドレナージ術 1例
15例
直腸 直腸切除・切断術 切除術 1例
低位前方切除術 2例
腹腔鏡下直腸切除・切断術 切除術 1例
低位前方切除術 2例
腹腔鏡下胆嚢摘出術 1例
7例
動脈 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置 7例
7例
乳腺 乳腺腫瘍摘出術 1例
乳腺悪性腫瘍手術 15例
16例
皮膚、皮下組織 創傷処理 筋肉、臓器に達する 4例
筋肉、臓器に達しない 17例
皮膚切開術 1例
皮膚、皮下腫瘍摘出術 1例
23例
腹壁、ヘルニア ヘルニア手術 腹壁瘢痕ヘルニア 1例
半月状線ヘルニア 1例
臍ヘルニア 2例
鼠径ヘルニア 12例
腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術 10例
26例
腹膜・後腹膜・腸間膜・網膜 大網、腸間膜、後腹膜腫瘍摘出術 1例
後腹膜悪性腫瘍手術 1例
2例
肛門・その周辺 痔核手術 2例
痔瘻根治手術 1例
3例
膀胱 腹腔鏡下尿膜管摘出術 1例
1例
総合計 135例

横スクロール

化学療法

手術後の再発や遠隔転移(肝臓、肺、骨など)で手術適応のない患者さまに対して、抗がん剤、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害剤などを使用して、癌の進行を抑えて長く元気に生活していただくことを目的に行う治療を化学療法といいます。
また、癌に対して根治手術(しっかり癌が取りきれた手術)後に癌の再発を抑制するために行うものは補助化学療法といいます。
これは化学療法と異なり治療は期間を決めて行ないます(疾患によって期間は違いますが、短いもので3か月、長いものは1年など)。
主に食道癌、胃癌、大腸癌、膵癌、胆道癌、原発性肝細胞癌などの疾患が対象となります。

抗癌剤というと、吐き気などの副作用が辛く苦しいものだという先入観があるかもしれませんが、現在は様々な副作用の予防薬がありますので、それらの薬剤を使用し、患者さまの日常生活を妨げないことを第一に考え、治療を行っております。
当科では、基本的に最初の抗癌剤を使用する場合は入院で(1泊ないし2泊)、その後、問題がなければ外来で化学療法を行っております。
治療は、外科外来診察室の隣に設置された外来化学療法室で行っています。
また、治療中、ご自宅で発熱や食欲不振などの心配な事が生じた場合は、電話連絡いただけますと、すぐに対応できる体制を整えておりますので安心して治療を受けていただけます。

化学療法室

Conversion Surgery について

癌が発見された最初の段階では、遠隔転移(肝や肺など)や他臓器への浸潤などで化学療法が選択された場合でも、化学療法が奏効し根治切除(しっかり癌が取りきれる)が期待できると判断されれば、手術を行う場合があります。
これをconversion surgery といいます。最近の化学療法薬の進歩は目覚ましく、最初は手術ができないと判断された患者さまも化学療法によって癌が小さくなったことによって手術が行える症例がみられるようになってきました。

大腸がん多発肝転移+肝門部リンパ節転移

大腸がん多発肝転移+肝門部リンパ節転移

化学療法が奏効し、肝転移+リンパ節転移が縮小し手術可能となった
(肝右葉切除+肝外側部分切除+リンパ節郭清術)。

化学療法が奏効し、肝転移+リンパ節転移が縮小し手術可能となった(肝右葉切除+肝外側部分切除+リンパ節郭清術)。