入院時にリハビリテーションセンターで術前評価を行い、術後に必要となる理学療法内容などを指導いたします。
さらに看護師はベッド上での生活指導を行います。術後の理学療法は手術翌日には開始いたします。
全身状態が許す限り、ベッド上で寝たままの生活は出来るだけ避けたいと考えています。
可能な限り早く、座位、起立、歩行へと理学療法をすすめていきます。
当院ではクリニカルパス(治療計画表)を作成しています。
それによって退院の時期もおおよそ決定されています。
パスの使用によって、治療法のばらつきを少なくしていますが、個人個人の状態によってもパスは適切に運用されていきます。
医師、看護師、理学療法士、ソーシャルワーカー、管理栄養士、薬剤師が各々の知識を集約して治療を行うチーム医療を実践しています。
手術前後のリハビリがどのように進むのかを紹介します。
入院前の外来診察時に術後リハビリが円滑に進むように、術前運動指導を行います。
術前運動指導は入院までに自宅で運動をしていただき、運動に対する習慣を身につけてもらうことが目的です。
理学療法士がマンツーマンで指導させていただきます。
外来診察時 |
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手術前からの筋力トレーニングや自転車こぎなどの有酸素運動が、手術後の機能回復に良い影響を及ぼすことが、これまでの研究で明らかにされています。
当リハビリテーションセンターでは、これに基づき「手術前から行う運動」を指導させていただいております。
運動は、コア(身体をコントロールする為に重要な働きを持つ部分)トレーニングの要素を取り入れ、数多くの症例経験から手術後や退院してからも必要とされるエクササイズを当リハビリテーションセンターにて選択しています。
そしてわかりやすくパンフレットも作成しています。
入院後に行わせていただくアンケート調査の結果では、この術前指導により手術までの期間に自宅で運動を行えた(75%)、運動への意識が高まった(82%)、手術への不安が減った(36%)などの声をいただいております。
術前 |
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術後1日目 |
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術後2~3日目 |
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術後3~7日目 |
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術後7~10日目 |
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術後10~14日目 |
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術後14日目以降 |
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いずれも開始の目安です。
関節可動域運動、筋力トレーニングは、リハビリ以外の時間でも病棟などで自主的に継続して行います。
リハビリはとても重要です。 理学療法士が責任を持って指導しますので、退院の目標に向かって共に頑張りましょう。
患者様の多くは、退院後、在宅へ復帰されます。
その後、家庭へ復帰された後の生活動作の向上や復職、またQOL(生活の質)の向上などを目標としたリハビリテーションを引き続き通院にて行っています。
退院後、ご自宅での生活や職業復帰にあたっての不安やご質問、お悩みなどございましたらご遠慮なくご相談ください。
人工関節置換術を受けられた患者様におきましては、年に2回当院にて患者会を開催しております。
同じ経験や悩みを共有し、患者様同士の情報交換の場として、ご好評いただいております。