スポーツ整形外科

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医師紹介

部長
リハビリテーション
センター長

星野 祐一

平成12年 北海道大学医学部卒
平成20年 神戸大学大学院医学系研究科修了
平成 21-23年 米・ピッツバーグ大学医学部整形外科客員研究員

  • 米国ピッツバーグ大学 整形外科留学
  • 日本整形外科学会専門医


整形外科専門医を取得後、神戸大学付属病院整形外科スポーツ膝グループで4年間の膝関節外傷・障害(主に前十字靭帯損傷など)の診断・治療に関する臨床・研究を行い、その後3年間スポーツ医学では世界的に高名なピッツバーグ大学で研究を進め、昨年末に神戸大学医学部整形外科に帰ってきました。

 

平成24年4月より海星病院に勤務しております。一般整形外科では、ともすれば軽く見られがちのスポーツにまつわる怪我ですが、そこに焦点をおいて、もう一歩深く診断し、もう一歩先の治療をしていければと考えております。スポーツの怪我・障害などありましたら気軽にご相談いただければ幸いです。

当院での靭帯断裂形成手術の実績 週刊朝日MOOK手術数でわかるいい病院 掲載分

当院での靭帯断裂形成手術 2014年度実績の件数が全国18位にランクインしました。

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当院での靭帯断裂形成手術 2013年度実績の件数が近畿3位にランクインしました。

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当院での靭帯断裂形成手術 2012年度実績の件数が全国28位にランクインしました。

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ドクターに聞く「自家培養軟骨移植術とは?」

診療内容

前十字靱帯(ACL)損傷について

前十字靭帯(ACL)損傷はスポーツ現場では頻繁に生じ、多くの例で手術を要し、医療の進んだ今でもスポーツ選手にとっては非常に大きな怪我となります。
損傷パターンには2種類あり、ジャンプの着地や急な切り返し動作で損傷し(非接触性損傷)、その際には膝がガクッと外れるような衝撃(膝崩れ)を生じます。
一方、膝に外側から人や物が倒れてきて強く捻じられて損傷することもあります(接触性損傷)。


通常、受傷直後から膝の痛みでプレーを継続することが困難となり、徐々に膝の腫れが出現し(関節内に血が溜まっています)歩行困難となります。痛みと腫れが強く出ず、その後しばらくして歩行なども可能となることもありますが、そのような場合でも、スポーツなどに戻ると膝が外れるような感触(膝崩れ)を生じます。
診断は診察所見(医師の手技)とMRIで行いますが受傷直後は痛みが強く診断が困難な場合もあります。治療はまず痛みが治まり膝を曲げたり伸ばしたり・歩いたり・筋力を発揮する能力が回復してから(通常1ヶ月程度かかります)、手術加療(再建術)を行うかどうかを判断します。

 

左側(正常ACLのMRI像)では前十字靭帯が黒い線として見えてます(矢印)が、
右側(ACL損傷直後のMRI像)では白くなっています

 

スポーツを続けたい多くの方で手術加療が必要となります。不安定な状態での膝のままではスポーツのパフォーマンスが低下してしまうのと、前十字靭帯損傷を放置しておくと度重なる膝崩れを生じ、半月板損傷や軟骨損傷などの二次損傷を引き起こし将来変形性膝関節症に発展することもあるからです。

 

前十字靭帯は一度損傷すると治ることは殆どなく、またそのまま縫い合わせても十分に治ることはありません。従って、新しく前十字靭帯を作りなおす(再建術)治療を行います。
新しい靭帯は主に自分の体から靭帯の代わりになる組織(移植腱)を採取して、これを使用します。関節鏡という小さなカメラを使用し、関節の内部を覗きながら大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)のもともと前十字靱帯の付いていた部分(解剖学的付着部)に穴を開けます。その穴に移植腱を通してそれぞれの骨に通常金属で固定します。

最近の前十字靱帯(ACL)再建術について

従来より行われていたACL再建術では多くの例でもともとあったところにACLを再現できていない(非解剖学的再建)という問題点があると近年の研究で明らかになって来ております。
さらにはそのような例では関節の変性変化(使い傷みによる変化)がACL手術後5-10年で4~5割に認められるという報告もあり昨今では解剖学的再建術(もともとあった位置へACLを再建する)の必要性が強調されており、これに向けての研究が進み、実際の手術手技も進化してきています。

 

 

非解剖学的ACL再建術術後のレントゲン写真(A)、MRI写真(B)、CT写真(C)

解剖学的ACL再建術術後のレントゲン写真(D)、MRI写真(E)、CT写真(F)


レントゲンやMRIでの再建靭帯の走行する角度を評価することで解剖学的再建ができているか否かを検討することができる。(例:レントゲンでの角度で32.7°以下、MRIでの計測で55°以上では非解剖学的再建となっている可能性が高い。)Illingworthら Am J Sports Med 2011年39号2611-2618頁より


解剖学的再建を目指して手術手技の進化する過程で、解剖学的2重束再建術といって、もともと複数の線維からなるACLを1本ではなく2本の移植腱で再建し、なるべく元々の形に近い靭帯構造を再現するという手術法が開発されました。神戸大学及びその関連病院では世界に先駆けてこの手術法を行っており有効な治療であることを確認し、各方面に報告しております。当院でも症例によってはこの手術法でACL再建術を行っております。

 

 

当院における典型的2重束ACL再建術の1例(右:レントゲン正面像、左:レントゲン側面像)どちらも十分な再建靭帯の走行角度が確認できる。
靭帯を再建するのには通常体内の他の部分から腱を採取して使用しますが、膝内側屈筋腱(ハムストリング腱:膝の裏側の筋腱)や骨付き膝蓋腱(膝の前面部、お皿の骨とすねの骨の間の腱)などが主に用いられます。それぞれに利点・欠点があり、患者さんのスポーツや特性に応じてどこの腱を使用するかを判断します。


手術に伴う危険性・合併症についてですが、感染(0.5%前後)下腿外側の知覚鈍磨(頻度は不明。徐々に回復し大きな後遺症は残しません)緩みの再発(数%)、可動域制限(数%)などが報告されています。また前十字靭帯再建術後、約90%の方がスポーツ復帰されており約70%の方が受傷前のレベルまで復帰していると言われています。手術時間は1時間半程度、入院期間は1~2週間です。


松葉杖歩行で退院してもかまわない方は1週間以内独歩での退院を希望される方は2週間程度かかります)。術翌日から松葉杖歩行を開始して、リハビリ(可動域訓練や下肢筋力訓練)を行います。術後3~4ヶ月からジョギング、6ヶ月から練習復帰9ヶ月(患肢の筋力が健側の90%以上に回復)でスポーツ復帰を目指します。



ただし、予定通り進むためには下肢筋力の回復が重要であり長期間リハビリを継続するためには患者さん自身が目標をもってリハビリに臨むことが重要です。

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