部門のご案内

臨床検査部

検査室は、医師1名、常勤検査技師11名(糖尿病療養指導士・緊急検査士・超音波検査士含む)、非常勤検査技師6名(細胞検査士含む)、事務員1名で構成されています。
主な業務は、採血、輸血、検体検査、生理検査、病理検査等です。
検体検査については項目にもよりますが、迅速に正確な検査結果をお返し出来る様、採血後約1時間で結果をお返ししています。
生理検査におきましても、新しい超音波診断装置を導入し、3台で検査を行うことで検査の待ち時間の短縮に努めています。

詳しい検査案内については、下記をご参照下さい。

スタッフ紹介

   
部門長
北村 順

1992年 島根医科大学医学部医学科卒業
1996年 島根医科大学大学院医学研究科修了
2009年 島根大学医学部循環器内科講師

  • 日本循環器学会認定循環器専門医
  • 日本東洋医学会認定漢方専門医
  • 日本東洋医学会代議員
  • 島根大学医学部臨床教授
  • 鳥取大学医学部非常勤講師

検査業務のご案内

検体検査

検体検査は患者様から採取された検体で検査を行います。
材料は、尿、便、血液、喀痰など様々です。

血液一般・凝固検査

主に、血液中の白血球数、赤血球数、血小板数、ヘモグロビンなどを測定し、貧血や炎症がないかどうかを調べます。
また、凝固検査では出血傾向がないかどうかを調べます。

Sysmex XT1800i

Sysmex XT1800i

Sysmex CA650

Sysmex CA650

血液・凝固検査

血液 白血球数、赤血球数、血小板数、ヘモグロビン 他
凝固 PT、APTT、Dダイマー(*Dダイマーは生化学自動分析機で測定しています。)
一般検査(尿・便他)
Sysmex UF5000 Arkray AE4021

Sysmex UF5000
Arkray AE4021

尿では、蛋白、糖、潜血などを測定し、腎臓機能障害を調べます。
「たかが、尿検査、、、」と思われがちですが、尿からは意外に多くの情報が得られます。皆さんも健康のバロメーターとして、自分の尿をチェックしてみてください。

便では、便潜血や虫卵の検査を行います。
便の中のわずかな血液を検出することによって、胃がんや大腸がんの早期発見につながる場合もあります。

生化学検査・免疫学的検査

生化学検査では血液中の蛋白質・糖質・各種酵素・電解質を測定し、全身の健康状態を調べます。
免疫学検査では腫瘍マーカーや感染症、ホルモンを測定します。
また、メインのJCAZS050にトラブルが生じたときでも検査を行えるように、生化学自動分析機においてはバックアップ機としてBM6010を設置しています。

JCA ZS050 LUMIPULSE L2400 JCA ZS050
LUMIPULSE L2400
BM6010 BM6010
arkray AH-8280 arkray AH-8280
三菱化学メディエンスPATHFAST 三菱化学メディエンス
PATHFAST

院内で実施している検査項目は以下の通りです。

生化学検査

脂質系 総コレステロール、LDL、HDL、中性脂肪
肝臓・胆道系 AST、ALT、LDH、γGT、ALP、T-BIL、D-BIL、アンモニア
腎臓系 CRE、BUN
心臓系 CK、BNP、トロポニンI
細胞障害、
炎症の指標
CRP
糖尿病関連検査 血糖、HbA1c
その他検査 AMY、P-AMY、UA、TP、ALB、Ca、IP、電解質(Na・K・Cl)、Fe、RF、Zn、C3、C4、MMP3、KL-6、コリンエステラーゼ、血ガス、抗HPIgG抗体、尿中TP 、尿中ALB

免疫学検査

感染症検査 HBs抗原、HBs抗体、HCV抗体、HIV抗体、TPLA抗体
腫瘍マーカー AFP、CEA、CA19-9、高感度PSA、CA15-3
ホルモン検査他 TSH、FT-4、インスリン、フェリチン、プロカルシトニン、FT3
その他迅速検査

その他、インフルエンザなど、迅速に検査結果が必要な検査については、迅速キットによる対応を行っています。

測定項目 インフルエンザ迅速検査、マイコプラズマ迅速検査、β溶連菌迅速検査、尿中肺炎球菌、尿中レジオネラ、クロストリジウム・ディフィシル、ノロウイルス迅速検査、アデノウイルス迅速検査、デングウィルス、尿素呼気試験
輸血検査

血液型検査、交差適合試験を実施しています。

  • 血液型検査
    オモテ試験、ウラ試験を行い、A・B・OとRhの(+)(-)、特殊な血液型でないかを調べます。

  • 交差適合試験
    輸血をする前に行う検査で、患者様の血液と拒絶反応が起こらないかを調べます。

病理検査

病理検査は大きく病理組織診断・細胞診断・病理解剖の3つに区分されます。

病理組織診断

胃や大腸の内視鏡検査を行った際に病変部より小さな組織を採取し、その組織標本を作製し顕微鏡で観察して癌かどうかを診断します。

また、皮膚や乳腺、前立腺からも一部の組織を採取し病変を診断します。
これらを生検診断といいます。

また、術前検査で癌と診断され手術された場合、摘出された臓器を肉眼的に観察した後、組織標本を作製し、癌の広がりや悪性度等の所見を顕微鏡的に病理医が診断します。

さらには、癌の切除範囲の決定や、リンパ節への転移の有無等を検索するために、手術中に一部の組織片を採取し特殊な方法で短時間に標本を作製し病理診断する術中迅速診断も行っています。
これにより的確な手術術式が決定されます。

生化学検査

大腸良性ポリープ(腺腫)

大腸良性ポリープ(腺腫)

大腸悪性ポリープ(早期癌)

大腸悪性ポリープ(早期癌)

細胞診断

喀痰や尿中に含まれる細胞を集めたり、子宮の一部から細胞を擦り取って標本を作製し染色を施し顕微鏡で観察を行い、癌細胞があるかないかを検索します。
これは、癌の早期発見に重要な検査となっています。

また、乳房のしこりや皮下腫瘤に針を刺して細胞を採取し含まれる細胞から病変の診断を行います。

さらに、癌の切除術を行う際に手術中に体腔より採取した液から標本を作製し癌細胞が臓器から浸潤していないかどうかを迅速に検索することもあります。

細胞診断

子宮頚部早期癌

子宮頚部早期癌

乳癌

乳癌

病理解剖

不幸にして亡くなられた患者さまをご家族の承諾を得て解剖させていただき、亡くなった原因や病気の広がり、治療の効果などを調べます。

さらにその結果を剖検カンファレンス会で臨床診断と対比し検討することで今後の診療に役立てています。

当院検査室では神戸大学医学部分子病理学教室の病理医グループが病理診断されます。

生理検査

心電図や超音波など患者様の体に触れて行う検査の事を総称して生理検査といいます。

心電図検査

安静時心電図

心電図では心臓のリズムの異常(不整脈)のほか、心筋梗塞の時の壊死範囲や、壊死した心筋が修復される過程などがわかります。

  • 検査時はストッキング・タイツ類は脱いでいただきます。

運動負荷心電図

トレッドミル

トレッドミル

狭心症などは、胸痛発作が起こっている時以外は正常時と変わりがなく、心電図検査を行ってもあまり異常が発見できず診断が容易にできません。
そこで患者様にある種の運動をしてもらい心臓に負荷をかけて心電図を記録します。
心電図上のわずかな変化で診断をすることができます。
胸痛 肩こり 胸の不快感などのある方は、安静時心電図だけではなく運動負荷心電図までされることをおすすめします。

当院では、マスター(階段昇降)、トレッドミル(ランニングマシーン)の2種類の負荷心電図を行っています。

ホルター心電図

ホルター心電図

心臓の病気の中には発作中にしか変化のおこらない場合がありまます。
発作中にタイミングよく検査ができればよいのですが、そのようにうまくいくとは限りません。
そこで考えられたのがホルター心電図です。
心電図の電極をテープで胸に貼り付けて、小さな記録装置を24時間携帯して頂きます。
日常生活をしている間の全心拍を記録し解析します。
仕事中あるいは車の運転中や睡眠中にあっても、どんな不整脈がどのような時にどれくらい出ているのか、又狭心症があるかないかがわかります。

ABI(Ankle-Brachial Index)、PWV(脈波伝播速度)
ABI(Ankle-Brachial Index)、PWV(脈波伝播速度)

両手 両足の血圧及び脈波 心音 心電図を同時に測定し、計算値より全身の動脈が、狭くなったり、詰まっていないかどうか、動脈壁が硬くなっていないかどうかを推測します。
動脈硬化とは血管が狭くなったり、詰まったり、硬くなったりすることで、脳梗塞や心筋梗塞の他にも様々な病気を引き起こします。
この検査はこのような病気の予知に役立ちます。
簡単にできる検査ですので一度検査を受けてみてください。
検査時間は10分前後です。

ABPM(携帯型24時間血圧装置)
ABPM(携帯型24時間血圧装置)

ABPM(携帯型24時間血圧装置)

携帯型血圧計を24時間腕に巻き、日常生活をしていただきます。
一定時間おきに血圧を測定し、一日の血圧の変化を記録します。
この結果は、降圧剤の種類や服用の仕方の参考になります。

超音波検査
超音波検査

Aplio a450

体に害のない超音波を使って各臓器をリアルタイム画像で見る検査です。
当院では3台の超音波装置があり、腹部・乳腺・頚動脈・甲状腺・下肢静脈・心臓・表在・関節エコーの超音波検査を実施しています。
また、2018年度より新しい超音波診断装置を導入致しました。その装置では超音波による肝硬度の測定(肝臓の硬さ)が可能です。

腹部超音波検査

主に肝臓 胆嚢 膵臓 腎臓 脾臓 のチェックをします、必要に応じて下腹部の臓器も見ます。
肝炎 肝硬変 脂肪肝 膵炎 胆石 腎臓結石 腫瘍 ポリープなどがわかります。
条件が良ければ5mmぐらいの病変から診断する事ができ早期発見に役立っています。
検査時間は約20分程です。

  • 検査に影響があるため、基本的に絶食で検査を行います。

心臓超音波検査

心臓の動きや状態をリアルタイム画像で見る検査です。
心筋梗塞などで動きの悪くなった部分や、心臓肥大 心臓弁膜症 心不全などの診断に役立ちます。

頚動脈超音波

脳に血液を送っている頸部の太い血管の動脈硬化の程度を見る検査です。
脳の検査はMRI MRAが一番有効ですが、それらは手軽にできる検査ではありません、まずは頸部の血管を超音波で見て次のステップに移っていくと良いでしょう。
検査時間は約20分程です。

乳腺超音波検査

乳腺の状態や腫瘤の有無、リンパ節の腫れなどをチェックします。
検査時間は10~20分程度です。

  • 腫瘤が見つかった場合、エコー下穿刺吸引細胞診を行うこともあります。

下肢静脈超音波検査

脚にある深部静脈に血栓(血液のかたまり)がないかをチェックします。
脚の付け根からくるぶしにかけて検査していきます。
検査時間は20~30分程度です。

  • 当院では、手術前・手術後(特に人工関節手術)に行うことがあります。
PSG(睡眠ポリグラフィー検査)

睡眠中の脳・呼吸・血中酸素の状態などを調べます。実際には、夕方入院していただき、食事と入浴を済ませた後、全身に測定機器を取り付けて寝ていただきます。
その状態で一晩眠って頂いて測定を行い、翌朝退院して頂きます。
気道の閉塞などの原因で、睡眠中に無呼吸を繰り返す、睡眠時無呼吸症候群などの診断に用いられる検査です。

装着例

装着例

検査の様子(例)

検査の様子(例)

聴力検査

検査室では耳鼻科領域において以下のような検査を実施しています。
標準聴力検査(気導聴力、骨導聴力)、語音聴力検査、チンパノメトリー、あぶみ骨反射

呼吸機能検査

肺から出入りする空気の量などを測定して、肺の働きを調べる検査です。
この検査は主に呼吸器系疾患を調べるために行われますが、その他、手術前など全身状態をチェックする目的で行う場合もあります。

神経伝導速度検査

運動神経、感覚神経をどのくらいの速さで刺激が伝わるかを測定し、末梢神経の伝導障害が無いかどうかを調べます。

以上が当院で行われている生理検査です。神経伝導速度検査を除いては、ほとんど痛みの無い検査です。
又、心電図検査以外は予約制となっていますので、予約されますと待ち時間も少なくなっております。
ただし、緊急の場合は予約以外でも迅速に対応しています。